あなたにとって「デザインをすることとは」という問いについて深く考えさせられる。原研哉さんのデザイン名著。
「デザインのデザイン」という、デザインを俯瞰して眺めるという雰囲気のあるタイトルからも想像できるように、本書は原研哉さんが「現代のデザイン」という定義を新しく捉え直し、さまざまな事例などとともに紹介していく、といった内容の本となります。
旧来の「形を持つ物事を作り上げる技術」という意味でのデザインでは、少し現状を捉えきれていない。現代社会においては「周りの世界に耳を澄まし目を凝らして、生活の中から新しい問いを発見していく営み」こそがデザインの役割であると語られているところが印象的です。
だれもがデザインできるようになった世の中で、目の前のクライアントだけでなく、その先、その周りに広がる社会と人々にまで目を凝らして問題提起・解決を提案できるデザイナーは果たしてどれくらいいるのだろうか。そんなデザイン業界全体の未来をも想像してしまい、深く考えさせられます。
社会に貢献できる一歩先のクリエイティブを目指したい
なんのためにデザインをしているのかに迷いがある
デザイン制作における考え方をアップデートしたい
そういった方々に、ゆっくりと世界を見渡しながら味わって欲しい一冊です。
本書の内容(目次)
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- まえがき
- 第一章
- デザインとは何か
- 悲鳴に耳を澄ます
- デザインの発生
- デザインの統合
- 二十世紀後半のデザイン
- 規格・大量生産
- スタイルチェンジとアイデンティティ
- 思想とブランド
- ポストモダンという諧謔
- コンピュータ・テクノロジーとデザイン
- モダニズムのその先へ
- デザインとは何か
- 第二章
- リ・デザイン –日常の二一世紀
- 日常を未知化する
- アートとデザイン
- リ・デザイン展
- 坂茂とトイレットペーパー
- 佐藤雅彦と出入国スタンプ
- 隈研吾とゴキブリホイホイ
- 面出薫とマッチ
- 津村耕佑とおむつ
- 深澤直人とティーバッグ
- 世界を巡回するリ・デザイン展
- リ・デザイン –日常の二一世紀
- 第三章
- 情報の建築という考え方
- 感覚のフィールド
- 情報の建築
- 長野オリンピック開会式プログラム
- 病院のサイン計画
- 松屋銀座リニューアルプロジェクト
- 情報の彫刻としての書籍
- 情報の建築という考え方
- 第四章
- なにもないがすべてがある
- 田中一光から渡されたもの
- 無印良品の起源と課題
- 「が」ではなく「で」
- WORLD MUJI
- EMPTINESS
- 地平線にロゴを置く
- ロケーション –地平線を探して
- なにもないがすべてがある
- 第五章
- 欲望のエデュケーション
- デザインの行方
- 企業の価値観の変貌
- 集約されるメーカーの機能
- マーケットを精密に「スキャン」する
- 欲望のエデュケーション
- 日本人の生活環境
- 日本という畑の土壌を肥やす
- デザインの大局
- 欲望のエデュケーション
- 第六章
- 日本にいる私
- 日本をもう少し知りたい
- 『陰翳礼讃』はデザインの花伝書である
- 成熟した文化の再創造
- 自然がもたらすものを待つ — 「雅叙伝」と「天空の森」
- 世界の目で日本の上質を捉え直す — 「小布施堂」
- 何もないことの意味を掘り下げる — 「無何有」
- たたずまいは吸引力を産む資源である
- 日本にいる私
- 第七章
- あったかもしれえない万博
- 初期構想と「自然の叡智」
- エコロジーに対する日本の潜在力
- 森の中に何があったのか
- デザインのパースペクティブ
- 身近な自然や生命をキャラクターに
- 自己増殖するメディア
- 終わらないプロジェクト
- あったかもしれえない万博
- 第八章
- デザインの領域を再配置する
- 世界グラフィックデザイン会議
- デザイン知の覚醒
- デザインと情報
- 情報の美へ
- 生命科学と美
- 情報とデザインをめぐる三つの概念
- VISUALOGUE
- 徒歩で再び歩き出す世代に
- デザインの領域を再配置する
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- あとがき
BOOK INFORMATION
デザインのデザイン
著者:原 研哉
出版社:岩波書店
出版:2003/10/22
