アートディレクター仲條正義さんのユニークなデザイン哲学、その挑戦と愛が詰まった一冊。
仲條正義さんは、約40年間担当されていた資生堂PR誌「花椿」のアートディレクション、松屋銀座のVIロゴ設計や、ワコールが運営する複合文化施設「spiral」のVI&ロゴ設計、など多くの作品を生み出したアートディレクターです。
その中でも「花椿」のアートディレクションにおけるその誌面は、仲條さんのデザイン哲学が詰め込まれた作品の数々として愛されています。デザインを論理から構築していくことを嫌い、全体のバランスやフックの効いたレイアウトとタイポグラフィを使い、(おそらく感覚的に)組み上げていく仲條さんのスタイルは見る人を飽きさせない特別な魅力があります。
本書では、そんな仲條さんがデザイン哲学を語った文章に加えて、「仲條正義と私」というコラムも収録されています。そのコラムでは、仲條さんと共に仕事をした9人のクリエイターが、彼との仕事について語る、という内容で彼の人柄と仕事観がリアルに感じられる話が綴られています。
自分の仕事にスタイルがほしい
デザイン制作をもっと楽しみたい
アートディレクターの仕事に触れてみたい
そういった方々にぜひ、ワクワクしながら読んでほしい一冊です。
本書の内容(目次)
-
-
- カラー口絵「Nakajo Works」
-
- 第一章
- 『花椿』のアートディレクターになるまで
- 大工の息子に生まれて、戦争を体験する
- 中学でデッサンに夢中になる
- 藝大時代の財産は同級生
- 日宣美の奨励賞を受賞する
- 学生時代にプロの現場でアルバイトを始める
- 資生堂に入社するが、生意気な社員だった
- 資生堂を三年、デスカを一年で退社
- 仲條デザイン事務所を設立
- 『花椿』の仕事が舞い込む
- 仲條正義と私
- 平山景子「ゆるぎない仲條イズムと『花椿』とともに」
- 高橋歩「きれいにやりすぎるなというアンチテーゼ」
- 『花椿』のアートディレクターになるまで
- 第二章
- デザインは文字である
- 文字組みは音楽だ
- カレンダーをデザインで面白くする
- アルファベットは勝手にやるしかない
- デザインが敵になる感覚
- 日本語の特殊性を考える
- 興味さえあれば読んでもらえる
- 読者の目を引くための違和感
- 手書きで書体をつくる方法
- 日本人デザイナーが目指すべき文字
- ロゴにも流行がある
- 突っ込みどころのあるデザイン
- 優れたフォントは歴史を伴って生まれる
- 仲條正義と私
- 後藤繁雄「美しい矛盾」
- 穂村弘「仲條さんはひとりだけ違う作業をしているのかもしれない」
- デザインは文字である
- 第三章
- デザインを完璧にしない
- 雑誌はイメージで読者の目を引くこと
- デザイナーの個性は体質や手垢のように出るもの
- アイデアは井戸の水のように汲んでも枯れずに出てくる
- デザインを論理的に詰めることに違和感を持つ
- イメージを押しつけるのは野暮
- 迷うことが嫌いだ
- カメラマンには教養が重要
- 映画はイメージで見る
- ポスターは下手くそ
- イメージを高いレベルで定着させる大変さ
- 借りた写真はレイアウトで鈍くなる
- 僕は広告が合わない
- 仲條正義と私
- 篠山紀信「ちゃんとした世界じゃないものは、ちゃんとした世界じゃない人に頼む」
- 三浦憲治「完成度に厳しいのに、現場では全然厳しくない」
- デザインを完璧にしない
- 第四章
- 『花椿』は強度の高い遊びだ
- 雑誌は視覚で語るもの
- シェイクスピアをお題に遊ぶ
- パリ・ロケは現地でアイデアを変えた
- キャスティングありきのリトアニア・ロケ
- 作家性の強い写真家でイメージをつくる
- 映画仕立ての写真の訴求力
- ロンドンのクラシックとアヴァンギャルドの両面を撮る
- ハワイでポパイを遊ぶ
- SF映画をネタ元に、粗さがばれないように暗いイメージで撮る
- 映画的設定を用いるのは、雑誌を活き活きさせるため
- ホテルをテーマに徹底的に遊びの世界をつくる
- ロンドンで、透明人間が服を着たようなファッションを撮る
- ハワイのホテルから一歩も出ないで言葉のアートを撮る
- 帽子デザイナーの創造性を最大限活かす
- ふざけた和風スタイリングを柔らかいトーンで仕上げる
- コム デ ギャルソンとの良い関係性から生まれた東京タワー遊び
- エンターテインメントにしないと雑誌ではない
- 仲條正義と私
- 伊藤佐智子「ファッションは移ろい、デザインは情け」
- 山本ちえ「媚びずに、自分の偏屈を通す」
- ホンマタカシ「自由で贅沢で奇跡的な仕事」
- 『花椿』は強度の高い遊びだ
- 第五章
- 『花椿』は強度の高い遊びだ
- デザインは知恵
- デザインはゲーム
- デザインは突き抜けないと、野暮になる
- 遊びがデザインの潤滑油
- 新人はフレッシュなことをやらないといけない
- 個性と人間性は別。我が強すぎると邪魔になる
- 展覧会は自分らしさを出せる機会
- 退屈と感じたらおしまい
- 『花椿』は強度の高い遊びだ
-
-
- マエストロの知恵とユーモア
- –編集者あとがき
-
BOOK INFORMATION
僕とデザイン
定価:2,200円
著者:仲條正義
出版社:株式会社アルテスパブリッシング
出版:2022/1/25
「デザインは遊びだ。野暮や退屈になったらおしまい」
半世紀以上にわたって日本のグラフィックデザインをリードしてきたマエストロ、仲條正義のオーラル・バイオグラフィー(口述自叙伝)。
資生堂のPR誌『花椿』のアートディレクターを40年以上務めたほか、同パーラーのロゴとパッケージデザイン、銀座松屋や東京都現代美術館、カゴメなど数多くのロゴをはじめ、斬新で粋なデザインを世に送り続けてきた仲條正義が、キャリアを振り返りながら、デザインとはなにか? を自ら語ります。
巻頭にはホンマタカシ撮影の著者ポートレートと、『花椿』など主な仕事をカラー32ページで掲載しています。
クリエイター9人が仲條との仕事を語る「仲條正義と私」も収録!
◯証言者たち
伊藤佐智子(ファッションクリエーター)、後藤繁雄(編集者)、篠山紀信(写真家)、高橋歩(クリエイティブディレクター)、平山景子(編集者)、穂村弘(歌人)・ホンマタカシ(写真家)、三浦憲治(写真家)、山本ちえ(スタイリスト)
(仲條正義氏は2021年10月に逝去され、本書は大変残念なことに追悼出版となりました。ここに謹んで哀悼の意を表します)
〈出版書誌データベースより〉
